エアリスを好きな理由

エアリス・ゲインズブールをはじめとするFF7についてのブログです。毒吐き注意。野村・ティファ信者の方は特に注意お願いします。

クラウドの気持ちを追ってみた 1

本編からクラウドの気持ちを追ってみました。

もちろん、今のわたしの主観だし、違うって人もいるでしょう。

ただなるべく、自分の趣味や好みを考えずに、クラウドの気持ちになって、私なりに考えてみました。

 

 

 

村で友達がいなかった内向的な子供だった。

まぶしかったのは、いつもみんなの中心で笑ってる女の子。

村長の娘のティファ。

可愛くて、友達になりたかった。

憧れだった。

初恋だったかもしれない。

なのに、彼女を目の前で怪我させてしまった。

彼女の父親になじられ、大好きなティファを守れなかった自分を呪った。

それからは、人とますます距離を置くようになった。

喧嘩ばかりのときもあった。

荒れていた。

そんなとき、セフィロスのことを知った。

神羅の英雄、最強のソルジャー。

自分もソルジャーになったら、みんな認めてくれるだろうか。

ティファは、自分のことを見直してくれるだろうか。

そうしたら、こんな後ろめたい気持ちもなくなるだろうか。

村を離れる前に、ティファを給水塔に呼び出した。

ほかに別れを言いたい人もいなかった。

でも、彼女を呼び出せたなんて、自分にこんな勇気があったのかと思った。

一度も話したこともなかったのに。

一緒に遊んだこともなかったのに。

だから、きっと来ないだろうと、俺のことは嫌っているだろうと思っていた。

寒い中、たくさんたくさん待って。

そして、ティファはきてくれた。

ソルジャーになると告げると、ピンチのときは助けに来てといわれた。

唐突に何を言ってるのかわからなかったけど、約束してしまった。

だってティファは、俺に会いに来てくれたのだから。

 

村を出て、神羅に入って、でもソルジャーにはなれなくて。

自分の限界を知った気がした。

俺は特別でもなんでもない。

セフィロスなんて雲の上の存在だとまざまざと思い知っただけだった。

ザックスと会ったのも神羅でだ。

ザックスはソルジャーだけど、誰とでも気さくに話す明るいやつだった。

俺みたいな口下手なヤツにも、どんどん話しかけてきた。

俺にないものをたくさん持っていて憧れた。

それと同時に、自分の不甲斐なさが情けなくなった。

何がソルジャーだ。英雄だ。

俺には何一つ、成し遂げることなんてできやしない。

 

そしてニブルヘイムの調査の仕事に行き。

セフィロスの暴走、ティファは倒れ、俺はザックスに助けられ。

ピンチのときに助けられなかった。

約束したのに。

やっぱり俺は、英雄にはなれないみたいだ。

 

ザックスは俺を助けてくれた。

命と引き換えに。

朦朧とした意識のまま、さまよって、ミッドガルに着いた。

そしてティファと再会した。

懐かしい、という感情はなかった。

知っている人だ、という意識しかなかった。

 

このときの自分はザックスのことも覚えてなかった。

自分はソルジャーであること、それだけだった。

偽の記憶を抱えたまま、ティファに請われるままに、アバランチのテロ活動に力を貸した。

助けてくれた礼でもあった。

 

そして、エアリスとの出会い。

彼女といると、自分のペースが狂うのがわかった。

でもそれは、決して不快ではなかった。

むしろこれが、自然なんじゃないかと思うくらいに。

 

作戦行動中に花を買い、デート一回でボディガードを引き受け、つい声を上げて笑ったことなんかもあった。

常に追われているような状況なのに、俺を送ると言い張ったり。

危険なことには慣れている、といいながら、コルネオの屋敷に単身乗り込もうとしたり。

かと思えば、俺に女装なんて提案をしてくる。

彼女に言われると、なんとなく逆らえず、ほかにいい方法も思いつかず・・・

ティファの安全を確認するためと言い聞かせてたな。

 

マリンを頼んだために神羅に捕まったエアリスを助けに行くのにためらいはなかった。

あんなにつかまるのがイヤで必死に逃げていたのに、すまない気持ちでいっぱいだった。

ヘリでも殴られていたし、手荒な扱いを受けていないだろうか。

焦る気持ちで神羅に乗り込み、エアリスを救い出せたときはほっとした。

エアリスは古代種だから狙われる。

セフィロスも古代種だといっていた。

セフィロスを追う旅が始まった。

 

いつでも明るく、何を見ても好奇心いっぱいで、初めての世界を堪能するエアリス。

彼女といると、気持ちが明るくなるような気がした。

飛空挺に乗りたい、と言ったエアリスに、任せておけと大見得を切ったり。

いつもの自分と違う行動をとっていることに、だんだんと気づいていた。

 

俺が忘れていたザックス。

彼の家族に会ったときのエアリスとティファの様子がおかしかった。

ティファは明らかに知っている様子だったのに「知らない」と言い

エアリスはクラス1stのソルジャーで初恋の人だと言った。

クラス1stでザックスなんて記憶になかった。

それより、そう聞いたとき、嫌な感情が出てきて。

たぶん、嫉妬、何だと思う。

そう、このとき俺は、エアリスの初恋の相手に嫉妬していたんだ。

 

コスモキャニオンで、ティファは俺に言いたいことがありそうなのに言わなかった。

エアリスは、自分が最後の古代種だと、そのことに思い悩んでいた。

エアリスへの気持ちがわかりかけていた俺は、彼女を元気付けたかった。

俺がいるだろ、そう言いたかったのに、俺たちが、と直してしまった。

精一杯だった、それが。

そのときの、俺の、精一杯。

 

ゴールドソーサーでエアリスにデートに誘われた。

正直、デートはしたことがなかったのでそういうと、不幸な青年といわれた。

言われてみれば、21にもなってデートもしたことないのは不幸かもしれない。

でも、まったく不幸ではなかった。

最初のデートの相手が、エアリスなら。

 

あちこち遊びつくして、最後にゴンドラに乗った。

はしゃぐエアリスを見ているのが好きだった。

いつも笑顔で活き活きと楽しそうにしている彼女がまぶしかった。

そしてこのときの彼女は、「あなたに、会いたい」と言った。

意味がわからなかった。

でももしかして、時々頭の中で響く誰かの声。

これにエアリスが気づいているのだとしたら。

なんていっていいのかわからずに、俺は黙るしかなかった。

 

古代種の神殿でケットシーとの別れのとき。

エアリスが占ってといった、俺との相性。

相性ぴったり、幸せな未来が約束されてます、そう聞いたときのエアリスの嬉しそうな顔。

もしかしたら、俺もそんな顔をしていたかもしれない。

照れたように笑うエアリスが、嬉しかったから。

 

セフィロスが来てからは覚えてない。

痛いほど何かを殴ったことをかすかに覚えている。

エアリスが必死に俺を止めようとしていたことを覚えている。

 

自分の身体がコントロールできない恐怖をまざまざと味わったのはこのとき。

セフィロスのいいなりに黒マテリアを渡してしまった。

そして・・・エアリスは一人で行ってしまった。

情けない。大好きな女性に守られて、危険な場所に一人で行かせて。

それでも、俺はいつ操られるかもしれない恐怖に負けて動けなかった。

もし、自分がエアリスを・・・・

 

それは、なかった。

けれど、守れもしなかった。

エアリスを俺に殺させようとする力には抗ったが、彼女はセフィロスの刀に貫かれた。

動かなくなった彼女を抱いて、俺の心は止まった。

激しい慟哭とともに、心の奥の何かが壊れてしまった。

何を倒しても、俺の一番奥は、もう治せなかった。